Monology from the attic

屋根裏からの独り言

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義理と人情

山折哲雄さんに、柳田國男全集と長谷川伸全集で余生を送りたいといわせしめたうちの一人、長谷川伸。祖父母と同年代(厳密にいうともう少し前)なので、活躍時のことはよく知りませんが、日本人が戦後忘れた世界がここにあるような気がします。

辞書によると、
義理とは
社会生活を営む上で、立場上、また道義として、他人に対して務めたり報いたりしなければならないこと。道義。

人情とは
人としての情け。他人への思いやり。

「義理と人情」といっしょくたにして語りがちですが、実は似て非なることに気づきました。
義理を考える上でのキーワードは「社会生活」。「おおやけ」感が否めません。
それに比べると、人情は、直接的な人の情け。「わたくし」感ですね。

義理と人情の2軸をうまく絡ませて物語を紡いでいく、それが江戸時代は浄瑠璃であり、最近では新国劇や新喜劇、現代では歌舞伎などの世界に残っているのでしょう。

長谷川伸全集を近いうちに読んでみたいと思います。